いつもお世話になっております。この度はたくさんの、やる気のあるいい学生さんを御紹介いただき、ありがとうございました。
さて、7月のJLPT(日本語能力)試験の受験について、ご説明させていただきます。
学生が当校に在籍する2年の間に、JLPTを受けるチャンスは4回しかありません。そして2年後学生が、就職の望めるいい専門学校へ進学するには、必ずそれらの学校からN2相当の実力が問われます。つまり逆算すると、この7月でN5相当の実力になっていないと、2年後まともな専門学校には進学するのに間に合わないという事になります。
また、大学、大学院進学希望の学生は、来年年明けにはすぐにEJU(日本留学試験)の対策を開始しなければなりません。それにはそれまでに、初級を完全に終わらせていなければなりません。なので今年の12月のJLPTでは初級終了程度のN4相当が取れなければならないということになります。
もちろん試験さえ受ければいいということではありません。しかし試験とは無関係で、ただ日々学校に来て教科書をこなしているだけの学生と、受験料を払って試験を申し込んだ学生とでは、勉強の意識や緊張感が変わってくるのではないかと思い、私どもでは7月のJLPTを受験する事を学生に勧めた次第です。
一部のエージェント様から「来日直後の学生に、5500円も払わせてそんなに受験を勧めるのは、学校がJLPTの試験の会社からいくらかもらっているからだろう。」というお声があったようですが。決してそんな事は行っておりません。JLPTは大規模で実施される全国的な試験ですから、そんな大きな組織が、末端の小さな日本語学校にディベートを渡す事は、常識的に考えて絶対にありえませんし、もしそんなことが実際あったとしたら大問題となって新聞やテレビに出るようなニュースになるでしょう。
そのようなお声もあったという事を受け、この度授業時間に、入学式後に行った教務のオリエンテーションの第2弾を、各国語母語訳付きで実施し、学生に「試験を受けるのも受けないのもみなさんの自由です。でもなんの資格も持たないで、来年『先生、専門学校を受けたいです』『大学進学クラスに入りたいです』と言ってきても、学校も先生も助けません。」という事を言い渡しました。ですので、各エージェント様も、その事を御了解いただきますようお願いいたします。また、上記の事を学生の保護者の方にもお伝えいただいて、学生が日本で就職したり、学位を取って優秀な日本の高等教育機関を卒業するという事をお望みなら、どうか私どもの考えに賛同してほしい。そして金銭的にも精神的にも学生を支援してほしい。という事をお伝えいただきますよう、お願いいたします。
来年1月からは、大学、大学院進学希望の学生のために、通常授業のほかに対策授業が始まります。それには新たに授業料や教材費をもらい受けなければなりません。いい結果を出すには、お金も手間もかかります。何も試験を受けない、教師から言われた事は何もしない、自分で勝手に好きに勉強するという状態で、いい進路結果を出すのは無理です。どうか学生の将来を考えてくださるのなら、私どもの考えにご協力くださいますよう、お願いいたします。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
東京文教学院 校長
渡辺予里